住宅ローンのリファイナンス(借り換え)とは

オンタリオ州で借り換える前に確認すること

本記事の情報は2026年10月25日時点のものです。

リファイナンス(借り換え)とは、今の住宅ローンを完済し、新しい住宅ローンに切り替えることです。同じ金融機関で行うことも、別の金融機関に移って行うこともできます。ローンの条件を変えるためや、住宅に積み上がった正味資産を資金に換えて、リフォーム、子どもの教育費、ほかの借入の返済にあてるために行うことが多くあります。リファイナンスでは新しい住宅ローンを登記し、これまでの住宅ローンの登記を抹消するため、金利のほかにも確認すべき点がいくつもあります。

リファイナンスは更新や金融機関の変更とどう違いますか

住宅ローンの期間(term)が満了したときに、同じ金融機関と新しい期間の契約を結ぶのは更新(renewal)です。満了時に借入額と返済期間を変えずに別の金融機関へ移るのは、金融機関の変更(switch)です。リファイナンスは借入額を増やしたり、返済期間やローンの仕組みを変えたりする場合で、新たな審査と新たな登記が必要になります。

いくらまで借りられますか

一般的なリファイナンスでは、今の住宅ローン残高を含めた借入総額は住宅の価値の80%までです。たとえば評価額が100万ドルで住宅ローン残高が45万ドルなら、借入総額は80万ドルまでとなり、費用を差し引く前で最大35万ドルの資金を新たに用意できます。実際の上限は、評価額、収入、信用状況をもとに金融機関が決めます。

住宅ローン保険(カナダ住宅金融公社などの保険)が必要な高比率の借入は、原則として住宅購入の目的に限られるため、一般的なリファイナンスでは80%を超えることはできません。例外として、2025年1月15日からは、自宅に独立した居住スペース(secondary suite)を設ける場合に、保険付きのリファイナンスで工事後の価値の90%まで借りられるようになりました。工事後の価値が200万ドル未満で、住戸数が4戸以下であることが条件で、増額分は工事費の範囲内に限られ、ほかの用途の現金として引き出すことはできません。

審査はどのように行われますか

銀行などの連邦規制下の金融機関が保険のない住宅ローンを審査するときは、実際の契約金利より高い最低適格金利、つまり契約金利に2%を加えた金利と5.25%のいずれか高い金利で返済能力を確認します。これが一般にストレステストと呼ばれるものです。2024年11月21日からは、満了時に借入額と返済期間を増やさずに別の金融機関へ移る場合に限ってこの審査が不要になりましたが、借入額を増やすリファイナンスにはこの例外は適用されません。

まず期限前返済の違約金を確認してください

住宅ローンの期間の途中でリファイナンスすると、今のローンを早く返済することになるため、期限前返済の違約金がかかることがあります。違約金は通常、3か月分の利息と金利差額(IRD)のいずれか高い額で、契約金利が現在の金利より高いほど金利差額は大きくなります。連邦規制下の金融機関は、契約書の冒頭の情報欄に、期限前返済の条件と違約金の計算方法を記載しなければなりません。

リファイナンスで得られる利益が違約金や弁護士費用、評価費用を上回るかを比べるために、今の金融機関から違約金の額を書面で受け取っておくとよいでしょう。期間の満了に合わせてリファイナンスすれば、違約金はかかりません。また連邦の利息法(Interest Act)により、個人が借りた住宅ローンで契約期間が5年を超えるものは、5年を過ぎれば3か月分の利息を加えて返済できます。

セカンドモーゲージやHELOCとは何が違いますか

リファイナンスは今の住宅ローンを新しいローンに置き換えるものです。これに対して第二順位の住宅ローン(セカンドモーゲージ)は、今のローンを残したまま、住宅を担保に二つ目のローンを加えるものです。上限は通常、評価額の80%から今のローン残高を差し引いた額です。住宅を売却した場合は第一順位のローンが先に返済され、その残りから第二順位が返済されるため、セカンドモーゲージは金利が高いのが一般的で、二つのローンを並行して返済しなければなりません。

住宅を担保にした信用枠(HELOC)は、設定した枠の範囲で必要なときに借り入れる仕組みで、枠は住宅の価値の65%まで設定できます。住宅ローンとHELOCを組み合わせた商品は同じ金融機関でしか利用できず、少なくとも20%の正味資産が必要で、住宅ローンの元本を返済するほど使える枠が増えます。

プライベートレンダーによるセカンドモーゲージは審査が柔軟な一方で費用が高く、期間も短いことが多いため、契約の前に満期にどう返済するかを決めておく必要があります。

名義が一人でも、配偶者の同意が必要です

オンタリオ州の家族法(Family Law Act)では、法律上の夫婦がふだん家族の住まいとして使っている住宅は婚姻住居(matrimonial home)にあたり、登記上の名義が一人だけでも同じです。婚姻住居に住宅ローンを設定するには、もう一方の配偶者が書類に共に署名するか、同意しなければなりません。別居の合意書でその権利を放棄している場合や裁判所の命令がある場合などは例外です。この規定は法律上の配偶者に適用され、事実婚のパートナーには適用されません。別居中、または別居を控えている場合は、リファイナンスの前に必ず法律の助言を受けてください。

名義を変えると土地譲渡税がかかることがあります

住宅ローンは債務を担保するための登記なので、リファイナンスそのものにはオンタリオ州の土地譲渡税(Land Transfer Tax)はかかりません。しかし、リファイナンスと同時に登記の名義人を加えたり外したりすると所有権の移転が生じ、移転する持分に対応する住宅ローン残高も課税対象の対価に含まれることがあります。トロント市内の住宅であれば、トロント市の土地譲渡税も同じように考える必要があります。配偶者間の移転は一定の要件を満たせば免除されることがあるため、名義の変更を伴うリファイナンスは、進める前に税金の有無を確認してください。

リファイナンスで弁護士が行うこと

オンタリオ州の住宅ローンの登記は電子登記システムで行われ、登記に必要な法令順守に関する申述ができるのは開業弁護士だけです。リファイナンスでは、弁護士が登記簿や強制執行の記録などの権原調査を行い、新しい金融機関の融資条件と登記の条件を確認してご説明します。今の金融機関から完済金額の明細を取り寄せて既存のローンを完済し、抵当権の抹消を手配したうえで新しい住宅ローンを登記し、残りの資金をお渡しします。保証人がいる場合は、独立した法的助言(ILA)が必要かどうかも確認します。

新しい住宅ローンが担保枠型の登記(collateral charge)である場合、将来ほかの金融機関に移る際に登記をやり直す費用がかかることがあるため、登記の方式も確認しておく必要があります。

Jenna Lee Lawへのご相談

Jenna Lee Lawでは、リファイナンスやセカンドモーゲージの登記と決済、名義の追加や変更、婚姻住居に関する配偶者の同意について、ご相談を承っています。主任弁護士は公認会計士(CPA)でもあり、資金の使い道による税務上の影響や、名義変更に伴う土地譲渡税についても併せて確認します。

参考(公式情報)

カナダ金融消費者庁(FCAC)、Borrowing using home equity:https://www.canada.ca/en/financial-consumer-agency/services/mortgages/borrow-home-equity.html

カナダ金融消費者庁(FCAC)、Home equity line of credit:https://www.canada.ca/en/financial-consumer-agency/services/mortgages/home-equity-line-credit.html

カナダ金融消費者庁(FCAC)、Reduce prepayment penalties:https://www.canada.ca/en/financial-consumer-agency/services/mortgages/reduce-prepayment-penalties.html

カナダ金融機関監督庁(OSFI)、Minimum qualifying rate for uninsured mortgages:https://www.osfi-bsif.gc.ca/en/supervision/financial-institutions/banks/minimum-qualifying-rate-uninsured-mortgages

カナダ財務省、Mortgage insurance rule changes to enable homeowners to add secondary suites(2024年10月8日):https://www.canada.ca/en/department-finance/news/2024/10/mortgage-insurance-rule-changes-to-enable-homeowners-to-add-secondary-suites.html

オンタリオ州家族法(Family Law Act):https://www.ontario.ca/laws/statute/90f03

オンタリオ州政府、Land transfer tax、Transfers of land between spouses:https://www.ontario.ca/document/land-transfer-tax/transfers-land-between-spouses

利息法(Interest Act)第10条:https://laws-lois.justice.gc.ca/eng/acts/I-15/section-10.html

本記事は2026年10月25日時点の一般的な情報であり、法律上または税務上の助言ではありません。借入の上限や条件は、金融機関や個々の状況によって異なります。リファイナンスを進める前、または何かに署名する前に、Jenna Lee Lawにご状況をご確認ください。本記事をお読みいただいたことにより、弁護士と依頼者の関係が成立するものではありません。