オンタリオ州で別居するときに避けるべき10のこと

オンタリオ州で別居するときに避けるべき10のこと

本記事の情報は2026年10月15日時点のものです。

別居の初期に下した判断や行動は、その後の財産の分け方、子どもの養育、扶養料の決定に影響します。以下は、オンタリオ州で別居するときに避けるべき10のことです。別居の前に用意しておく書類と財産分与の計算方法については、「オンタリオで別居する前に:財産を分ける前にしておくこと」で別にまとめています。

1. 安全に問題がなければ、急いで家を出ないでください

家を出ても、婚姻住居やほかの財産に対する権利がなくなるわけではありません。登記の名義にかかわらず、婚姻中の配偶者には婚姻住居に住み続ける等しい権利があり、相手の書面による同意か裁判所の命令がなければ、どちらも住居を売却したり抵当に入れたりすることはできません。ただし、別居後に子どもが誰とどのように過ごしてきたかは、その後の一時的な養育の決定で考慮されることがあるため、家を出る前に子どもとの生活をどう続けるかを先に整理しておく必要があります。別居の合意書や裁判所の命令がないうちに、配偶者の同意なく子どもを連れて家を出ると、配偶者は子どもを家に戻すことや一時的な養育の日程を定めることを求めて、裁判所に緊急の手続きを申し立てることができます。ご自身やお子さんの安全が心配な場合は、安全が最優先です。危険が差し迫っている場合は911に連絡してください。

2. 配偶者を脅したり、暴力をふるったりしないでください

カナダの離婚法でいう家庭内暴力には、身体的な暴力だけでなく、脅し、相手を強制し支配する行動の繰り返し、心理的虐待、経済的虐待も含まれます。裁判所は、子どもの最善の利益を判断する際に、家庭内暴力とその影響を考慮します。こうした行動は養育の決定で不利に働き、刑事手続きに進めば費用と時間が大きく増えます。

3. 子どもを夫婦間の対立に巻き込まないでください

子どもの前で別居の細かな事情について言い争ったり、配偶者を非難したりしないでください。夫婦の間で伝えるべきことを子どもに伝えさせることも避けてください。SNSに配偶者への不満を投稿することも控えてください。お子さんやその友人が目にする可能性があり、投稿は裁判で証拠として使われることがあります。

4. 子どもと両親それぞれとの関係を妨げないでください

現在のカナダの離婚法は、監護権(custody)と面会交流権(access)に代えて、養育時間(parenting time)と意思決定責任(decision-making responsibility)という用語を使っています(2021年3月改正)。養育時間は子どもを預かって世話をする時間、意思決定責任は子どもの教育、健康、宗教など重要な事柄を決める責任です。オンタリオ州の法律も同じ用語を使っています。裁判所は、子どもの最善の利益だけを基準に判断します。安全に問題がない限り、子どもが両親それぞれとの関係を続けられるようにし、ご自身と子どもとの関係をおろそかにすることも避けてください。

5. 事前に知らせずに子どもと転居しないでください

子どもについて養育時間や意思決定責任を持つ人が子どもと一緒に転居しようとする場合、その転居によって子どもとほかの人との関わり方が大きく変わるのであれば、転居予定日の少なくとも60日前までに、定められた書式で通知しなければなりません。通知の相手は、その子どもについて養育時間、意思決定責任、または交流(contact)が認められているすべての人です。通知を受けた人は転居に異議を述べることができ、合意できなければ裁判所が決定します。家庭内暴力があった場合は、この通知の規則の例外を裁判所に申し立てることができます。

6. 共同口座を空にしたり、収入を意図的に減らしたりしないでください

共同の銀行口座から一人で引き出したり、共同の与信枠を過度に使ったりすることは、裁判所で不利に評価されます。別居後に正当な理由なく収入の高い仕事から低い仕事に移ると、裁判所は実際の収入より高い収入を基準に、養育費や配偶者扶養料を定めることがあります。

7. 配偶者を経済的に孤立させないでください

配偶者が経済的に頼ってきた場合、生活費を突然止めてはいけません。養育費と配偶者扶養料は、後から決まった場合でも、それ以前の期間にさかのぼって支払うよう命じられることがあり、支払いを遅らせた分だけ、まとめて負担する額が大きくなることがあります。

8. 弁護士に相談せずに合意書に署名しないでください

オンタリオ州政府は、別居の合意書に署名する前に、双方がそれぞれ弁護士の確認を受けるよう勧めています。別居の合意書は、署名した後に簡単には変更できません。合意の前に、相手の財産、負債、収入の情報を十分に受け取ったかを確認してください。裁判所の手続きに進めば、双方が宣誓した財務報告書を提出しなければなりません。

9. 合意の前に大きな支出や財産の処分をしないでください

別居の合意書や裁判所の命令が出る前に、家や車を購入したり、費用のかかる旅行に出かけたりするなど大きな支出をすると、財務全体の整理に影響します。婚姻期間中に築いた財産を売却したり、名義を変えたりすることは、さらに避けるべきです。こうした行為が明らかになると、裁判所での信頼を失い、財産分与や扶養料の決定で不利に働くことがあります。

10. 請求の期限を過ぎないようにしてください

財産分与に伴う均等化の支払いを裁判所に請求できるのは、別居した日から6年以内、または離婚が確定した日から2年以内のうち、早く到来するほうまでです。協議が長引いても期限は進み続けるため、合意に時間がかかりそうな場合は、まず期限を確認してください。

Jenna Lee Lawへのご相談

Jenna Lee Lawでは、別居の合意書の作成と確認、財産分与、子どもの養育、扶養料について、ご相談を承っています。主任弁護士は公認会計士(CPA)でもあり、財産を分ける際に生じる税務上の問題も併せて確認します。

参考(公式情報)

オンタリオ州政府、Dividing property when a marriage or common law relationship ends:https://www.ontario.ca/page/dividing-property-when-marriage-or-common-law-relationship-ends

カナダ司法省、Moving after separation or divorce?(2024年5月17日更新):https://justice.gc.ca/eng/fl-df/fact5-fiches5.html

カナダ司法省、The Divorce Act Changes Explained: Relocation(2024年5月17日更新):https://justice.gc.ca/eng/fl-df/cfl-mdf/dace-clde/div103.html

Steps to Justice(CLEO)、We’re married. Who gets to stay in our home if we separate or divorce?:https://stepstojustice.ca/questions/family-law/were-married-who-gets-stay-our-home-if-we-separate-or-divorce/

カナダ司法省、Making plans: A guide to parenting arrangements after separation or divorce:https://www.justice.gc.ca/eng/fl-df/parent/mp-fdp/p2.html

本記事は2026年10月15日時点の一般的な情報であり、法律上の助言ではありません。家族法の問題の結果は個々の事情によって異なり、一部の請求には期限があります。行動を起こす前、または何かに署名する前に、Jenna Lee Lawにご状況をご確認ください。本記事をお読みいただいたことにより、弁護士と依頼者の関係が成立するものではありません。